ボリオリは、1890年代に伝統的なサルトリアとして創業したブランドです。
100年以上続く老舗サルトリアですから、その歴史の中では名品と呼ばれるモデルが存在しています。
「ドーヴァー」「Kジャケット」「コート」と呼ばれるモデルは、ボリオリを有名にした「アンコンジャケット」の火付け役とも言えるでしょう。
ボリオリは自ら開発した「アンコンジャケット」に注目が集まったことで、イタリアを代表する世界的なブランドに成長しました。
「アンコンジャケット」とは、カッチリとせず体にやさしくフィットしたジャケットを表す、ファッション業界の造語です。
具体的には、裏地や芯地、肩パットなどの資材を極力なくすことで、軽くてソフトなシルエットと着心地を実現しています。
ジャケットを支える資材がないのですから、型くずれしてダラッとするイメージがありますが、そこはボリオリの卓越したテーラードの技によって、上品なシルエットがキープされています。
英国式のジャケットとは違い、丸みを帯びたシルエットは、こなれ感や親しみやすさが伝わる仕立てとなっています。
このように「アンコンジャケット」以来、世界的な展開を見せるまでに成長したボリオリは、現在フィレンツェからミラノに移り、2014年にはミラノに初の旗艦店をオープン。
2015年にはブランド名を「ボリオリ ミラノ」へ改めることで、コレクションブランドとして進化を続けています。