前回オーダースーツ代理店としてお客様の問題を解決するために基本の知識が必要であることをお話ししました。
オーダースーツ代理店であるあなたが顧客向けに身につけるべき基本の商品知識
前回は基本の3種類についてお伝えしましたが、今回は続いての素材のご紹介です。
今回の内容も基本中の基本です。
もう知ってるという方は読み飛ばして下さい。
前回同様にここでは詳しい専門的なものは専門書や専門サイトにお任せして、
何がオーダースーツ代理店のあなたに必要な知識なのか。
いくつかピックアップしてご紹介していきます。
リネンとは何ですか
リネンとは麻(あさ)のことを指します。
亜麻(あま)と呼ばれる植物から取られたものをリネン=麻と言います。
リネンの特徴は
・吸水性、発散性、速乾性が高い
・シャリ感、さらりとした肌ざわり
・シワになりやすい
上記のような特徴から洋服では夏を快適に過ごす素材として扱われることが多いです。
シワになりやすい面がありますが、ウールや綿とは違った
リネン独特のシワに、アカ抜けたオシャレ感があります。
ジャケットやシャツなどに使われることが多いです。
リネンのシャツは非常に軽く通気性に優れるので暑い季節でもとても快適に過ごせます。
また、ラミーという素材も日本語では麻と表記されます。
リネンとラミーの違いについてはまた後日お話しします。
シルクとはどんな特徴がありますか
蛾の幼虫、蚕(かいこ)が作る繭(まゆ)から取られる動物性の天然繊維です。
シルク=絹(きぬ)の特徴は
・吸水性、通気性、保温性に優れる
・軽くなめらかで光沢がある
・汗ジミになりやすい
洋服になったときは非常に軽く光沢がある高級素材です。
素材も高価なので高級品に使われます。
肌着やスカーフ、シャツなどと共に、他の素材と合わせてジャケットやスーツ生地にもなります。
キュプラとは
キュプラは本来繊維として使用されないコットンリンターを原料とする再生繊維です。
コットンリンターとは綿花を取った後、綿実表面の繊維のことです。
特徴としては
・吸湿性が高い
・やわらかく肌ざわりがなめらか
・シワになりやすい
などがあります。
スーツ、ジャケットなどには主に裏地に使われています。
キュプラはポリエステルよりも一般的には価格が高く高級な裏地です。
ジャケットの袖の通りを良くする意味でも袖裏には特によく使われています。
汗をかく季節などは吸湿性が高いキュプラの裏地は快適に過ごす助けとなるでしょう。
他の素材と合わせて生地そのものに使われている場合もあります。
シルクのようなドレープがあり、やわらかい反面、シワになりやすく、摩擦にも弱い面があるのでご注意下さい。
パンツ向きではなくジャケット向きの生地と言えるでしょう。
まとめ
リネンやシルクは激しい動きに使うものではなく、上質で生地の風合いを楽しむ高級素材になります。
キュプラは裏地として高級なものとして知られていますが
最近はポリエステル裏地でも通気性を上げたものや、
デジタルプリントなどの個性的な柄もよく出回っています。
お客様に最適なものを提案するために覚えておいて損はない知識です。
より詳しい知識を求めるなら専門書を読むこともオススメです。
ダンディズムコレクション 山下
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