ジャケパンの主役はその名の通りジャケットとパンツ。
調べてみるとジャケットに関してはブランドの情報や、選ぶ際のポイントなど情報が出回っていますが、パンツに関してはジャケットほど情報が無いようです。
それはなぜでしょうか。
ジャケットの方が重要だから?
そんなことはありません。
パンツもジャケットと同様にこだわるべきですし、むしろジャケットは脱ぐタイミングがあるのに対してパンツは履きっぱなし。
ですから常に見られるのはパンツの方かと思うのですが、いかがでしょうか。
ですので、今回はパンツにスポットライトを当ててお話しようと思います。
パンツの種類から、オススメの色や素材、オススメのブランドと紹介していくので、最後まで読んで頂き、参考にしてもらえれば幸いです。
ジャケパンのボトムスはこの3つで決まり
・仕事用のフォーマルなコーデ
・結婚式の二次会に出席するドレッシーなコーデ
・休日のお出かけにマッチするカジュアルなコーデ
何種類かのパンツを持つ事によって、仮にジャケットが一つしか無くても、これらのコーデを演出することできます。
決まったペアでしか着られないスーツと違い、ジャケットとパンツを別々に組み合わせられるのもジャケパンのメリットですが、そんなジャケパンにオススメなパンツの種類を紹介します。
チノパン
チノパンは、仕事場には「キチンとした格好」として履いていけて、お出かけには「キチンとしているけど堅苦しくない格好」として履く事ができ、万能さがメリットのパンツです。
その万能さが故、ジャケパンのコーデで紹介されることが最も多いパンツかもしれません。
また色、柄、シルエットなど種類も豊富なので、チノパンならば探している色、形のパンツが見つかる可能性が高いでしょう。
そして、金額も安価な物から高価な物まで千差万別。
コーデの種類を増やすことが目的の人は安価なチノパンを買い揃えられますし、こだわりの逸品を探している人も、後ほど紹介するイタリアブランドなら気に入って頂けるのではないかと思います。
オススメの色
上記でも説明した通り、色のバリエーションの多さはチノパンの魅力の一つですが、ジャケパンにオススメな色を紹介します。
まずは定番の「ベージュ」。
「キチンとしているけど堅苦しくない」というチノパンの特徴を最も反映する色で、職場のジャケパンコーデにも、休日のジャケパンコーデにもマッチする色です。
またベージュは白に近いクリームカラーのベージュもあれば、茶色に近いカーキカラーのベージュもありますが、薄めの色の方がフォーマル、色が濃いほどカジュアル、という傾向にあると言われています。
次は「白」。
人によっては、白いパンツは敷居が高く感じるかもしれません。
しかし白は、黒や灰色と同じく「モノトーン(無彩)」と呼ばれる色彩に分類され、他の色との相性がよく、コーディネートがしやすいのが特徴です。
また白は最も光を反射する色のため、逆に光を吸収する黒やネイビーなどの、暗くて濃い色を引き立てます。
この視覚効果を利用して、黒やネイビーのジャケットを合わせると互いの色が際立つので、試してみてはいかがでしょうか。
チノパンの歴史
チノパンの起源は18世紀中頃。
カーキ生地で作られたイギリス陸軍の制服が基になっていると言われています。
当時、それまでは白色の制服だったのですが、カーキ色の方が自然に溶け込みやすく、戦闘上、有利になるだろうということで広まりました。
1900年代以降、アメリカ国内にも広がったのですが、”Chino”とはスペイン語で中国人を意味し、当時チノパンを主に着用していた中国人農民が名前の由来になっている、という説があります。
チノパンは作業着としても定着しており、”Dickies”, “Red Kap”, “Ben Davis”と言ったワークウェアブランドからもチノパンのラインが展開されています。
スケートボーダーなど、ストリートファッションのアイテムとしても人気があり、コーデのジャンルを問わず、デニムと並ぶトップ2のパンツといえるでしょう。
オススメのブランド
まず紹介したいのが「PT01」。
「PT01」は2008年にイタリアのトリノにて創業したパンツ専業のメーカーです。
生地のメーカーとして40年の歴史を持つCover社が母体なのですが、デザイナーにIncotex, Boglioli等で活躍したMario Stefano Maran氏を招き入れ、今最も注目されているパンツメーカーの一つ。
「PT01」のチノパンの特徴は細身のシルエットと、履き心地の良さと言われています。
伸縮性のあるチノ材が使われており、移動時間が多い人も、デスクワークで座ったり立ったりする人も、一度履いてしまうと今までのパンツには戻れなくなってしまうかもしれません。
また他のチノパンと比べ、ポケットに角度がついており、携帯電話を取り出す際など、手の出し入れがスムーズにできるよう、配慮がされています。
ちなみに定価は3万円から4万円と少々お高めですが、長く履いていける、品質の良いチノパンを探している人にオススメです。
そして「Incotex」も合わせてオススメしたいブランド。
イタリアのベネチアにて1951年に創業したパンツ専業メーカーです。
創業から60年以上経っていますが、時代に沿ってデザインを見直しており、ミリ単位でシルエットを修正していると言われています。
そしてオススメなのが”Skin Fit”と呼ばれるナインナップ。
近年タイトフィットなシルエットがトレンドになっていますが、IncotexのSkin Fitは他のブランドのタイトフィットとは違い、若干緩めのストレートライン風な仕上がりになっています。
若干の余裕を持たせることで、モモ周りがきつくなり過ぎず、ひざ下はほっそりと見えるデザインになっています。
またヒップ周りのポケットも、小尻効果が生まれるような位置に配置されており、デザインが他のブランドよりも研究されているであろう旨が伺えます。
ちなみにIncotexも定価のお値段が3万円から4万円で、ハードルが高く感じる人もいるかもしれませんが、もし実際に手に取る機会があれば是非チェックしてみてください。
最後に紹介するのはファストファッションブランドの代表格である「ユニクロ」。
魅力はなんといってもコストパフォーマンスで、お値段は3,000円前後です。
使われている素材や、製造工程がまったく違うのでしょうが、紹介済みの2つのブランドに比べると1/10の値段ですね。
そして、値段が1/10だから品質も1/10なのか?
そんなことはありません。
チノパンだけで以下四つのラインナップを掲げています。
ウルトラストレッチスキニーフィットチノ
スリムフィットノータックチノ
ヴィンテージレギュラーフィットチノ
イージーケアツータックチノ
それぞれデザインが違い、伸縮性に優れて、乾きやすさも売りになっており、3,000円前後のパンツとは思えない品質です。
また色もそれぞれ4,5種用意されており、人によっては迷って決められないかもしれません。
スラックス
最も身近なスラックスと言えば、スーツのズボンでしょう。
ビジネスシーンをはじめ、制服にも使われていることが多々あり、ビジネスシーンのフォーマルなコーデや、結婚式の二次会用コーデでもドレッシーな印象に仕上げたい時にオススメです。
意外かもしれませんが「スラックス」の語源である”Slack”は英語で「ゆるい」、「たるんだ」という意味。
“Slack off”という言い回しに至っては「サボる」という意味です。
ビジネス着であるスーツや、フォーマルな制服のズボンの語源に、このような意味合いがあるのは不思議かもしれませんが、「ゆったりとしたズボン」という物理麺での意味合いが主なのではないでしょうか。
またスラックスはチノパンやデニムに比べて薄手なので、運動量が多めの日のコーデには向きませんのでご注意を。
スラックスの素材について
スラックスもチノパン同様、色の種類が豊富で、柄ものもあります。
ですがスラックスは素材が豊富なので素材別に紹介したいと思います。
まずは「ウール」。
スーツのスラックスに主に使われている素材で、艶やかな見た目と、シワになりにくいメリットがあります。
ただ自宅の洗濯機では洗えないものが多く、クリーニングに出さないといけないのが玉に瑕。
次は「コットン」。
チノパンの生地であるチノクロスも原材料はコットンなので、チノパンに近い風合いが特徴です。
通気性が良く、洗濯もでき、丈夫なので使い勝手が良いですが、物によってはシワがつきやすいのでデメリットかもしれません。
最後に紹介するのが「ポリエステル」。
ポリエステルは1900年代に誕生した合成繊維で、耐久性が強く、洗濯しても劣化しにくいのが特徴です。
また乾きやすいのですが、縮みにくい性質を持ち、機能面で優れた素材といえるでしょう。
ただ毛玉が付きやすいというデメリットがあるのと、光を反射するのでカジュアルに見える側面もあります。
オススメのスラックス
チノパンのオススメブランドとして紹介した「PT01」と「Incotex」ですが、両社ともパンツ専業のメーカーというだけあり、スラックスもオススメです。
まず「PT01」ですが「EVO FIT」というモデルがオススメ。
チノパン同様、タイトフィットがトレンドではあるのですが、フォーマルコーデではタイト過ぎるシルエットを避ける人もいます。
そんな中「PT01」が発表した「EVO FIT」は、膝下はトレンドに寄せたタイトフィットで、腰回りはフォーマルにも対応する若干緩さを持たせたシルエット。
コットン材とトロピカルウール材があり、カラーもコットン材が5種類、トリピカルウール材が3種と充実しています。
そして「Incotex」は「J35」というモデルがオススメ。
元々日本人向けに作られたモデルで、膝から上の部分を細くデザインすることにより、膝位置が高く見え、脚が長く見える設計になっています。
しかし2014年を境にトレンドに合わせ、より細いモデルが売り出されるようになり、一度は生産を終了したのですが復活。
しかも復刻版はナノテク加工により撥水性がアップし、水をはじきやすくなりました。
出張や外回り営業の多いセールスマンには必需品といえるでしょう。
加えて、パンツインしたシャツの裾が外に出にくくなるよう、ウエスト周りの内側には滑り止めが装着されています。
こういった付加価値はIncotexならではですし、見た目だけでなく機能面的にもオススメの一着です。
デニム
チノパン、スラックスに続いて紹介するのがデニムです。
おさらいをするとチノパンはフォーマル、カジュアルの両対応。
スラックスはどちらかというとフォーマル寄り。
そしてデニムは、カジュアル寄りと言えるでしょう。
シルエット、色、そして加工法と種類は多々ありますが、デニムはカジュアルウェアであり、ドレスコードのあるレストランやイベントではデニムの着用が禁止されている場合もあります。
ですので、ビジネス用のジャケパンコーデには向かないかもしれませんが、休日用のジャケパンコーデにはカジュアル感を出しやすく相性抜群です。
それではデニムの種類を見ていきながら、どれがジャケパンに合うか考えてみましょう。
どんな種類がジャケパンに合うか?
まずシルエットの主な種類ですが
ストレート
スリム
フレア
バギー
などがあります。
簡単に説明すると
ストレートは文字通り腰から裾にかけてまっすぐなデザイン。
スリムは膝から裾にかけて細くなっているもの。
フレアはスリムの逆で、膝から裾にかけて太くなっています。
そしてバギーは全体的に太いシルエット。
となっています。
この中でジャケパンコーデにオススメなのはストレートと、スリム。
フレアはカジュアル過ぎる印象でジャケットと相性が合わず、バギーは太いデザインのためジャケパンコーデには合わせづらいものです。
ストレートとスリムはデニム中でもジャストフィットなものを選べば、ジャケパンらしくきちんとした装いに仕上げられます。
続いては色。
デニムの定番カラーはブルーですが、濃い目の物から薄めの目のものまであります。
濃い方がかしこまった印象になり、薄い程カジュアル感が出る傾向にあるといえるでしょう。
またデニムはブルー以外にもブラックやホワイトもありますが、両カラーともチノパンやスラックスでは多用される色ですので、ジャケットとも合わせやすく、オススメです。
そして最後にデニム特有のダメージ加工についてですが、ジャケパンにおいてはダメージ加工のデニムは相性が良くないと言われています。
ただでさえカジュアル度の高いデニムですから、ダメージ加工されているとカジュアル度は更にあがり、ジャケットと合わせるとちぐはぐした印象になってしまうでしょう。
ジャケパンにオススメなデニム
デニムのシルエット、色、ダメージ加工の有無についてお話したところで、オススメのデニムブランドを紹介します
まずはJacob Cohen。
Jacob Cohenは1985年にイタリアにて創業したデニムブランドです。
「仕立ての良いテーラードジャケットに合わせるジーンズ」というコンセプトを掲げており、ジャケパン用のデニムを作っているともいえるのではないでしょうか。
その特徴の一つは、主にスラックスに用いられる「ベルトピンフッック」で、これはベルトのバックルがデニムの中心からズレないためのピンです。
デニム着用時はバックルが少しずつズレていきがちなので、このピンはありがたい機能。
他のデニムブランドには見られないこだわりで、大衆向けの他のジーンズブランドとの差別化が見て取れます。
股上を浅くし、太ももの内側にシワやたるみが無く、脚のラインが美しく見えるデザインもJacob Cohenの特徴です。
また、デニム地は日本の岡山県から取り寄せ、イタリアの工場で仕立てているとのこと。
今まで履いていたデニムでのジャケパンコーデもアリですが、もしよければ一度Jacob Cohenのデニムも試してみてはいかがでしょうか。
ダンコレオリジナルデニム
ダンコレオリジナルデニム、ホワイト、ネイビーの二色展開です。
今までのデニムでは味わったことのない程ストレッチが効いていて、履き心地が抜群です!
また、細身のシルエットでフィット感が強く足元を綺麗に見せてくれます。
程よくスリムなストレートシルエットが、ジャケットなどのあらゆる着こなしに馴染みやすいため、ダンディなジャケパンスタイルの一つとして着て頂くことが可能。
ダンコレのジャケットに合うオリジナルデニム、大切なプライベートもお洒落に着飾ってはいかがですか?
まとめ
「ジャケパンコーデ用のパンツ」というテーマの基、ジャケパンにオススメな
チノパン
スラックス
デニムについてそれぞれ
おすすめの色
オススメのブランド
歴史
といった観点から紹介しました。
チノパン、スラックス、デニムの歴史から、ジャケパンのコーデに合うブランドなど紹介しましたので、是非参考にして頂ければと思います。
また、もし今まではどれかのパンツ一種類に偏りがちでしたら、是非これを気に他のパンツもコーデに取り入れてみてください。
そして、まだ新しいパンツをコーデに取り入れる自信が無ければ、まずはユニクロの様な手に取りやすいブランドから試して、それから本記事で紹介した
PT01
Incotex
Jacob Cohen
と言った一流ブランドに手を伸ばす、という流れもアリではないかと思います。
パンツの種類が増えれば着回しも増えて、ジャケパンのコーデを考えるのが一層楽しくなるはず。
これがあなたのジャケパンコーデが広がるキッカケになれば幸いです。