今年も寒い季節がやってきました。
ジャケパンでダンディーにキメているあなた、ジャケットだけでは正直寒くて辛くなってきていませんか?
アウターは防寒になるだけでなく、コーデにひと味加える絶好のチャンスです。
まずはアウターで魅せて、アウターを脱いだ時にジャケパンの全貌を魅せる・・・
これほどオシャレをアピールできる季節は冬だけです。
折角のチャンスですし、このチャンスを活かしてオシャレしてみませんか?
ということで今回は、ジャケパンスタイルに合うアウターを検証すべく、今回は5種類のアウターをピックアップしました。
それぞれの概要を説明しつつ、オススメのメーカーも紹介するので、あなたのアウター選びの参考にしてみてください。
ダンディーな装いにはこのアウター
今回紹介するアウター(コート)は
・トレンチコート
・ステンカラーコート
・ダッフルコート
・ダウンコート
・モッズコート
の5つです。
どれもジャケパンに合うアウターですが、どれが一番か検証していきましょう。
トレンチコート
まずは「トレンチコート」。
「トレンチ」とは「塹壕」を意味し、起源は軍服です。
第一世界大戦時、イギリス軍が気温の低いヨーロッパの戦いに対応するため開発したのがはじまり。
1930年以降はハンフリー・ハックマン主演の映画「カサブランカ」で主人公がトレンチコートを着用していたことから男性の間で人気が広がり、冬の定番アウターになりました。
トレンチコートは軍服としての名残なのか、防水加工された綿生地を使用したものが主流でしたが、近年ではファッション性を重視して合成繊維や皮革も用いられるようになっています。
また、ショルダーストラップは今では装飾となっていますが、軍服として使用されていた時代では水筒や双眼鏡を吊るす用途で使われており、ウエストのベルトは腹部の保温目的で使われていたと言われています。
また、右肩に縫い当てられている布は「ストームフラップ」と呼ばれ、前ボタンを上まで全て留めた時、雨が首もとから侵入することを防ぐ役割としてデザインされたもの。
このように今では飾りとなっているものも、昔は寒冷地での戦いに対応するために装備されたものだったのです。
トレンチコートは軍服という背景もあり、スーツなどフォーマルなコーデにマッチします。
ジャケパンでもビジネスカジュアルなど、カチっと決めたい時はトレンチコートがオススメです。
バーバリーの「ヘリテージトレンチコート」は定番?
そんなトレンチコートですが、ファッションとして流行させたのはイギリスのブランド「バーバリー」と言われています。
バーバリーのトレンチコートは「ギャバジン」と呼ばれる生地を使用していたのですが、軽量で通気性、防水性に優れているのが特徴。
ギャバジンは1879年に考案されて以来、改良を重ね今でも使われています。
また、現行モデルの前身である「タイロッケン」は、創業者であるトーマル・バーバリー氏によってデザインされ、1912年に特許を取得しました。
そしてコートの内側に3文字のオリジナルイニシャルを刺繍できるのもポイント。
15色の中から糸を選ぶことができ、イギリス北部の本社工場にて刺繍されます。
尚、メンズシリーズには
・ゆったりとしたフィットの「ウェストメンスター」
・スーツの上から着られる「ケンジントン」
・スリムフィットの「サンドリガム」
・ラインアップの中で最もスリムな「チェルシー」
と、4つのラインナップが用意されています。
各種類とも丈の長さや異なる型が3つずつ用意されている他、カラーバリエーションも3色から4色あるので、合計39種のラインアップ。
定番のベージュもオススメですが、ブラック、ネイビーといったカラーも魅力的ですね。
ステンカラーコート
「バルカラーコート」、「バルマカーンコート」、「スタンドフォールカラー」という別名もありますが、ゆったりとした着心地とフォルムが特徴です。
このフォルムにより、ボトムスが細くみえるため、「Yライン」と呼ばれる綺麗な体のラインを作ることができると言われています。
スーツに合うコートとしても浸透していますが、フォーマルな雰囲気がジャケパンにもマッチするでしょう。
尚、「ステンカラー」とは和製英語ですが、フランス語の”Soutien”=「支える」という単語が由来になっているという説があります。
主に海外で使われる別名の「バルカラーコート」、「バルマカーンコート」はスコットランドの「バルマカーン」という地名に由来しているようです。
「スタンドフォールカラー」という別名については、後ろの襟が立ち(スタンド)、前の襟が落ちている(フォール)ことから、そう呼ばれるようになったと言われています。
素材はウール、カシミア、綿、ポリエステル、ナイロンなど、カラーもブラック、ネイビー、グレー、ブラン、カーキとあり、種類が豊富に出回っているのもステンカラーコートの特徴の一つと言えるかもしれません。
「マッキントッシュ」のステンカラーコートであなたもイギリス紳士に
「マッキントッシュ」は1823年にイギリス、ロンドンにてチャールズ・マッキントッシュによって、元々はクロスメーカーとして設立されました。
創業者のチャールズ・マッキントッシュは建築家、デザイナー、画家としても活動をしていたのですが、マッキントッシュの名前が広まるキッカケとなったのは防水レインコート。
天然ゴムを二枚の生地の間に塗ることにより防水加工を施したのですが、「マッキントッシュ・クロス」と名付けられたこの生地は当時画期的で、瞬く間にイギリス中に広まっていきました。
そんなマッキントッシュからオススメしたいステンカラーコートは
ロングセラーの”DUNKELD”シリーズ。
DUNKELDシリーズは裾に向かって広がっていく「Aライン」と呼ばれるシルエットが特徴。
ステンカラーコート自体、体のバランスをキレイに見せるコートと言われていますが、Aラインシルエットに拘るマッキントシのDUNKELDシリーズは、数あるステンカラーコートの中でも人気のシリーズです。
また、素材はウール材のものから、コットン材のもの、そしてカラーはラック、カーキ、ベージュ、グリーンなど揃っています。
機能面も優れていて、シルエットもキレイということで、魅力たっぷりのマッキントッシュのステンカラーコートですが、大人のジャケパンスタイルにマッチすること間違いないでしょう。
ダッフルコート
「ダッフルコート」も起源を遡ると軍服で防寒着として使われていたり、更に昔は北欧の漁師の仕事着であったりと、元々は機能重視で使われてきたアウターです。
「ダッフル」という名前は厚手のメルトン生地の原産地である、ベルギーの「デュフェル」に由来していると言われています。
ダッフルコートの特徴の一つは、手袋をしたままコート前面の開け閉めが出来る、ということ。
ボタンではなく「トグル」と呼ばれる留め具をループ状のヒモに通すのですが、通常のボタンよりもサイズが大きいため、厚手の手袋をした状態でも扱えるのです。
イギリス海軍ではキャメル色の生地、帽子を着用した状態でもかぶれる大き目のフード、膝までの長い丈、という仕様のダッフルコートが使われていました。
日本でも「スクールコート」として学生に愛用されていますね。
フォルム、シルエット自体はシンプルなダッフルコートですが、留め具のトグルとヒモのループが程よいカジュアル感を醸し出し、大人っぽさも演出できるアウターです。
ダッフルコートの先駆者「グローヴァーオール」
「グローヴァーオール」は1951年設立のイギリスのブランド。
キッカケは創業者であるモリス家が、終戦で不要になったダッフルコートや手袋を、英国国防省の委託で販売したこと。
売り出してみると、手袋をつけたまま着脱できることや、防寒効果が高いことなどから評判になり、戦時用の残り物はすぐさま売り切れてしまい、自社のダッフルコートを生産し始めました。
以降、グローヴァーオールはダッフルコートの代名詞と言われるほど、有名なブランドになり、カナダ、フランス、スウェーデン、アメリカに販路を広げていきました。
そんなグローヴァーオールですが、オススメは「モンティー」シリーズ。
イギリス軍の司令官であったマーシャル・モントゴメリー氏の愛称にちなみに、「モンティー」と名付けられたこのシリーズですが、木製のトグル、麻製のヒモループという、元祖ダッフルコートの仕様を受け継いでいるシリーズです。
ゆったり目に作られているので重ね着しても楽に過ごせますし、従来のロング丈とは別に、細身のミドル丈たけもラインナップに加わっているので、細身に着こなしたい人にもオススメ。
ダウンコート
ダウンコートは、羽根毛、羽毛であるダウンフェザーを詰め物として使用したアウターです。
ナイロン素材の生地を指し縫いし、中にダウンフェザーを詰めるのですが、保温性と通気性に優れ、極寒地で防寒作業着としてしばし使われます。
日本では1980年代以降、アメカジファッションの流行と共に認知度があがり、今では人気のアウターの一つとなりました。
ダウンコートの防寒性能は数あるアウターの中でもピカイチでして、その秘密は素材のダウンフェザーにあります。
羽毛は隙間に空気を貯めることができ、この空気が暖かい空気を外に逃がさずブロックし、また外から中に冷たい空気が侵入することを防ぐのです。
またダウンコートは軽いのも特徴。
これだけの防寒機能を持ちながら、軽さを実現できるアウターはダウンコートだけでしょう。
ダウンコートは膨らみのあるシルエットなので、カジュアルな装いにピッタリですが、最近では細身のシルエットのものも出てきているので、紹介させてください。
話題沸騰中の「カナダグース」で徹底防寒
「カナダグース」は1957年創業、カナダのトロントに本拠地を置くブランド。
厳密には「メトロスポーツ」社のブランドの一つにあたります。
多くのメーカーがコストダウンのためアジア諸国に生産拠点を移す中、カナダグースは「メイド・イン・カナダ」に拘り、製品の企画から生産まで一括してカナダで行っているとのこと。
カナダグースの活動はファッション業界に留まらず、南極探検隊やエヴェレスト登山家にも製品を提供し、防寒ウェアーの性能向上に挑戦し続けています。
そんなカナダグースからオススメしたいのが”Emory Parka Black Label”。
まず注目は機能面。
カナダグース伝統の“Arctic Tech”と呼ばれる素材を表地に使用しており、撥水性、通気性に優れています。
またカナダグースでは「アークティックシリーズ」と呼ばれる南極体験を想定した防寒規格を設けており、本製品はマイナス15度からマイナス25度まで耐えられる4ランクの位置づけ。
またデザインも人気の理由の一つで、日本でも「ユナイテッドアローズ」、「ビームス」、「EDIFICE」、「Freak’s Store」、「Journal Standard」といったセレクトショップがナインナップに加えています。
アウトドアな、ラフなコーデになりがちなダウンコートですが、カナダグースのダウンコートならオシャレな大人の雰囲気を醸し出すことができるでしょう。
モッズコート
モッズコートの起源は1950年代から米軍で採用されていた防寒着と言われており、正式名称は「PARKA SHELL M-1951」とのことですが、通称は「M-51」。
モッズコートの特徴は「フィッシュテール」とよばれる裾部分で、裾に紐が通っていることより絞ることが可能で、下腿部分に密着させることができるのです。
フードにファーが付いている物もあり、顔回りの防寒になりますね。
ちなみに着脱が可能もモデルもあるので、状況に応じてフード有り、無しでコーデに取り組み事が可能です。
これらは極寒地での任務の際、防寒対策として生み出された機能のようですが、温かいのはもちろん、デザイン的にもモッズコートの個性となっているといえるでしょう。
モデルによってカジュアルで男らしい雰囲気にも、フォーマルなスーツにもマッチするモッズコートですが、イチオシのメーカーが紹介します。
老舗の「フレッドペリー」でキメよう
「フレッドペリー」は1952年に、テニスプレーヤーのフレッド・ペリー氏によって設立されたイギリスのファッションブランド。
フレッド・ペリー氏は「グランドスラム」と呼ばれる全豪オープン、全仏オープン、全米オープン、ウィンブルドンの4大会において、史上初めて全大会で優勝したテニスプレーヤーです。
引退後はファッション業界へ参入し、まずは現役時代から不満を感じていたリストバンドの開発からスタートし、後にウィンブルドン大会からの許可が出るほどのものに。
その後はテニスウェアのシャツを開発し、これも体にフィットするシルエットが好評でヒットして、フレッドペリーはスポーツウェアブランドとして世界中に認知されるようになりました。
そして1960年代からは体にフィットするシャツのデザインを、他のアイテムにも応用し、細身のジーンズ、スーツ、ジャケット、アウターも販売。
ちょうどその頃、イギリスのロンドンではアメリカから流れ込んできた「M-51」が若者の間に広まっており、そこでフレッドペリーは自社版のモッズコートを市場に投入したところこれがヒットし、スポーツウェア以外の分野でも不動の地位を築き上げました。
そんなフレッドペリーのオススメのモッズコートが「MEN MODS PARKA」。
起源である米軍M-51と同じ厚手のサテン地を素材に使用していますが、現代のファッションに合わすべく、製品洗いはせずツヤのある仕上がりになっています。
また肩ダーツ、エポレットも省かれてシンプルな作りになっていますし、アウトドアな要素は薄められて、タウンユーズに寄せた作りです。
シルエットも細身になっているので、ジャケパンにもジャストフィットするはず。
まとめ
5種類のアウターを紹介しましたが、どれもジャケパンにマッチしますが
・トレンチコート
・ステンカラーコート
はスーツにも合うぐらいなので、フォーマルな雰囲気にオススメです。
・ダッフルコート
・ダウンコート
・モッズコート
はそれぞれ、トグルと紐のループの「ダッフルコート」、たてがみのようなファーの「ダウンコート」、細身のシルエットにフィッシュテールの「モッズコート」といった様に特徴があって、どちらかと言うとカジュアルなコーデにマッチするでしょう。
また各種類、オススメのメーカーとオススメの製品を紹介しています。
・バーバリー
・マッキントッシュ
・グローヴァーオール
・カナダグース
・フレッドペリー
と、どれも世界的に有名なメーカーですので、是非チェックして頂ければと思います。
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形は、ステンカラーコートというイタリアでよく目にするダンディなアイテム。
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