今、ビジネスパーソンの間ではオーダースーツが人気です。
世界で自分だけの一着が出来上がるなんて、誰もが憧れます。
でも、「オーダーは値段が高いから・・・」と最初から敬遠してしまっていませんか?
オーダースーツにもいろいろ種類があります。
フルオーダーならば、自分だけに力を注がれた贅沢なスーツが出来上がります。
ですが当然、お値段は高いです。
ただ、それだけの価値は当然あります。
また、オーダースーツにはフルオーダーだけでなく、パターンオーダーと呼ばれるものやイージーオーダーという選択もあります。
すべてオリジナルにしなくても、フルオーダーに近づけてスーツを作ることも可能なのです。
どんな種類のオーダースーツを作るにしても、「どんなスーツを作りたいのか」、そして、「どこのお店で、それを実現すればよいのか」がキモになります。
大切なお金を払って、パートナーのビジネスを彩るスーツを作るのだから、安易な判断はしたくないですよね。
オーダースーツを作りたいと思ったら、最初にするべきことが2つあります。
(1)スーツを作る目的を明確にする
オーダーするスーツは、どんなシーンで着たいのかをはっきりさせておきます。
結婚式やパーティーなどのお祝い時なのか、ビジネスシーンで着たいのか。
オーダースーツの種類によっては、テーラーと相談しながら作るので、こちらの好みや目的をはっきりさせておかなければ、せっかくのオーダーも満足のいくものに仕上がりません。
スーツの目的、予算、デザインの好みなどを固めておきましょう。
(2)できるだけ多くのお店を出入りする
以下の記事でも触れるのですが、オーダースーツを成功させるには、お店(テーラー)との相性が大切です。
これは、あなたやあなたのパートナーがどんなことでも、遠慮無く相談できる性格であれば問題ないです。
ですが、「相手はプロ」と思えば思うほど、スーツ作りに関して自分が素人であることが浮き彫りになってしまい、思うような意見を言えなかったりする性格の人もいます。
そういう場合は、なるべく多くのお店へ出向き、お店の人とコミュニケーションをとってみて、相性が良さそうなところをチェックしておくと、後々安心してオーダーすることができます。
また、何店舗か行き来すれば、値段の相場も身につきます。
オーダーはお店によってさまざまですので、各店舗の特徴やウリなどをよく聞いて情報を集めるのも良いでしょう。
どんなオーダー方法にするにせよ、知識を頭に入れて、少しでも自信を持っていけば、後悔のないオーダースーツを作ることができるでしょう。
ここでは、オーダースーツを作る際に最低限必要な知識。
そして、あなたとあなたのパートナーがオーダースーツを安心して任せられるお店を発見するためのヒントをまとめていきます。
1: オーダースーツ基本の見極めポイント
オーダースーツを作るにあたり、これだけはというポイントをまとめました。
お店にいけば、店員さんが説明してくれますが、ある程度の知識を持ってお店へ出向いた方が気持ちに余裕も生まれます。
オーダーの方法など、目を通しておくとよいでしょう。
1.1: 3つのオーダー方法
スーツをオーダーするのに、オーダーの方法がいくつかあります。
それぞれメリット・デメリットはありますし、納期も価格も違います。
デザインにどこまでこだわりたいのか、納期は急ぎなのかを考えながら、オーダー方法を検討すると焦点が絞れるでしょう。
1.1.1: フルオーダー(ハンドメイドオーダー)
フルオーダーは「ハンドメイドオーダー」とも呼ばれています。
熟練された職人一人の手によって、それぞれの体のサイズに合わせて作られる方法で、一番贅沢な方法です。
型紙もその人に合わせてゼロから作り、仮縫いで調節しながら作り上げていきます。
この点が他のオーダー方法と大きく違う点で、ハンドメイドオーダーの特別感を感じるときです。
自分の体に合わせて作られるスーツは、コンプレックスに感じる体の部分も優しくカバーし、着る人に自信を与えてくれます。
仮縫いもハンドメイドオーダーの特徴で、個別に採寸した数字をもとに実際に試着してみて、調整を行うことができます。
スーツを着た時の姿勢や、歩き方のクセなどを考慮したオリジナルのスーツが出来上がるまでに、このような細かい工程を踏んで完成させることができるのです。
完成前に試着することで微調整も可能になり、満足のできる一着が出来上がります。
出来上がってから、脇がキツイとか腕がつる、などという不満もここでなくなります。
仮縫いの工程は、イージーオーダーでも取り入れているテーラーもありますが、型紙から作って行うフルオーダーの方が、より緻密な調整を行うことができます。
仕上がりのイメージができるのは、安心にも繋がります。
フルオーダーは、スーツ作りのプロであるテーラーと、細かい部分まで相談しながら完成させることができます。
オーダースーツを作るとき、あなたやパートナーが普段聞き慣れない言葉や専門用語が飛び交うでしょう。
そのときに、担当のテーラーが分かりやすく説明し、リードしてくれるので初めての人はとても心強く感じ、相談もしやすくなります。
遠慮して思うように自分のしたいデザインを伝えられなかった、という後悔もなくなります。
ここでひとつ注意があります。
オーダースーツは今、とても人気ですがフルオーダースーツを取り扱う店舗はあまりありません。
フルオーダーは店側にとっても作成するのに時間もかかり、腕の良いテーラーも必要です。
ひとりひとりの要望に応えるために、時間とテーラーを確保できるところは限られています。
ですが、老舗のテーラーは複数存在するので、ぜひ、あなたとパートナーに合ったお店を探してみてください。
1.1.2: パターンオーダー
パターンオーダーは、型紙から作り上げていくフルオーダーと違い、サンプルの中から着る人の体型に近いものを選んでいき、袖や着丈を調整していく方法です。
フルオーダーは時間もかかり価格も高価なので、オーダースーツが初めての方や、若い社会人の人は、このパターンオーダーがおすすめです。
パターンオーダーであれば、価格もお手頃で納期も早いです。
標準的な体型であれば、オーダースーツの入口として最適なオーダー方法でしょう。
パターンオーダーは、他のオーダー方法よりも選び方がシンプルです。
体型やボタン、サイズや裾のデザインなど、簡単にオーダースーツが出来上がるのが魅力です。
デザインやサイズを選んで、体にフィットした好みのスーツを作れるのがオーダースーツの特徴ですが、初めてのオーダー体験の人は種類の多さや、親しみのない専門用語に戸惑う人もいるはず。
パターンオーダーであれば、選択する項目もピンポイントで絞られて提示されるので、スムーズにオーダーできます。
ここで注意があります。
オーダースーツといってもフルオーダーではないので、細かい部分のこだわりや、特別な体型の人には対応できないこともあります。
種類は多いといえどパターンが決まっているので、そのパターンを基準に自分を合わせて選んでいかなければなりません。
ただ、ある程度の標準体型であって、強いこだわりを持たずにオーダーできるのであれば、パターンオーダーは簡単でおすすめです。
1.1.3: イージーオーダー
イージーオーダーとは、工場にある300~500種類前後の型紙の中から、自分の体型に合ったものを選び出し、補正を加えて作成するオーダースーツです。
オーダースーツを取り扱っているお店は、このイージーオーダーが最も多いです。
イージーオーダーの型紙は、機械がひとりひとりの型紙を作成しているところが特徴です。
なので、フルオーダーよりも短期間、低コストでオーダーすることができます。
イージーオーダーにおいて、生地を選べる量や、ボタンの種類、細かいデザインがどこまで可能かなどは、お店によって基準がさまざまです。
イージーオーダーでのスーツを考える時は、いくつかのお店をみてまわることが望ましいです。
イージーオーダーは、ゼロから型紙を作成するのではないのでピッタリ自分の体にマッチするスーツとまではいかないかもしれません。
ですが、工場の型紙はかなりの量があり、首まわり、背中、腕など、細かい部分をひとつひとつ選びながら完成させていくので、フルオーダーにより近いスーツが出来上がります。
既製品とは比べものにならないくらい、自分に合ったスーツを作ることができるのです。
また、オーダーなので生地の感じや、ボタンなども選べる量が多いので、好みに合ったスーツにカスタマイズすることができます。
スーツにたくさんのこだわりがあるのなら、フルオーダーで作るのが一番でしょう。
しかし、現実として、フルオーダーの価格はイージーオーダーよりもはるかに高額で、納品まで時間もかかります。
ゼロから自分用に型紙を作ってもらえ、自分だけのオリジナルスーツができる喜びと優越感はフルオーダーにありますが、イージーオーダーも数えきれないほどのパターン数の中から体型や好みに合ったものを選び出し、作成していくので、満足度も高いです。
ここで、イージーオーダースーツを作る際の注意点です。
イージーオーダーは工場にある500種類前後の型紙の中から一番合っているものを選んでいきます。
ですが、型紙に沿って作っていくので、型紙事態を調整することはできません。
決められた型紙の中で、着る人の体に合ったものを選んでいくことになります。
1.2: 仕上がりの納期
ここではオーダー別に仕上がりの納期をみていきます。
オーダーしてからの工程が、フルオーダー、パターンオーダー、イージーオーダーでそれぞれ違うので、当然納期も変わってきます。
1.2.1: フルオーダー(ハンドメイドオーダー)
フルオーダーは他のオーダー方法に比べて時間がかかります。
ひとつひとつの工程をテーラーと相談しながら仕立てあげていくので、時間もお金もかかります。
注文してからも、その後の工程に「仮縫い」も入り微調整も行われるので、2ヵ月前後を見積もっていたほうがよいでしょう。
1.2.2: パターンオーダー
ゼロからスーツを作り上げていくのではないので、納期も2週間前後で仕上がります。
イベントやパーティーが迫っている場合は、パターンオーダーなら早くスーツを手に入れることが可能です。
1.2.3: イージーオーダー
イージーオーダーの納期は、フルオーダーよりも短く、パターンオーダーよりも長いちょうど真ん中くらいです。
パターンオーダーよりも納期が長いのは、型紙を選ぶ時間です。
細かい部分をひとつひとつ選んでいく作業は、思っている以上に時間がかかります。
ですが、デザインや着心地に大きく影響するので、待っている間のワクワクする時間が増えると思えば、3〜4週間くらい我慢できますね。
1.3: お直しやアフター
オーダースーツは、個々の体型や好みに合わせて作られるので返品がききません。
なので、基本的に返品はないと思ってください。
ですが、中には「オーダーで作ったのに着た感じに違和感がある」「イメージとは違う」という人もいます。
店舗によってそれらの対処法は違いますが、もし、オーダースーツを作るにあたって、返品やお直しが心配であれば、注文前にお店側に確認しておくとよいでしょう。
返金は難しいかもしれませんが、お直しや調整はしてくれるところも多いはずです。
2: オーダースーツ店を選ぶ時のポイント
オーダースーツを作るのは、時間もお金もかかります。
投じた時間とお金のことを考えても、「作ってよかった」と思えるようなテーラーを選んでいきたいです。
2.1: テーラーの経験値
オーダースーツはテーラーと相談しながら完成させていけるのが、大きなメリットです。
老舗ブランドや、ネームバリューも大切ですが、一番は良きテーラーとの出会いだと思います。
テーラーを信頼できてこそ、こちらの意見や要望も気持ちよく伝えられることができるのです。
ただこちら側の要望を聞くだけでなく、的確なアドバイスをしてくれ、質問にもきちんと分かりやすく答えてくれるかどうかなど、意識してみてください。
2.2: 縫製の丁寧さを見極めるチェックポイント
縫製の丁寧さは基本中の基本です。
フルオーダーでも、手作業だけのお店と、一部機会を使ったマシンメイドのお店とあります。
手作業でも、マシンメイドでも、縫製には差が出るのできちんとチェックしておきましょう。
そこで簡単にお店でチェックできるポイントをご紹介。
それはボタンホールです。
ボタンホールは、留めたり外したりの動作が多いので、より補強されて作られています。
その部分にほつれがないかチェックしてみてください。
こういった細かい部分を重点的にみていきましょう。
2.3: 生地の上質さ
オーダースーツはたくさんの種類の生地から、自分が着たい生地を選ぶことができます。
生地を多く選べることができるお店はチェックですよ。
ですが、ただ生地が多いだけではまだ心配です。
お店には生地の見本があるはず。
それらを手に取り、よく触ってみてください。
また、テーラーに自分の好みの生地を伝え、テーラーが提案する生地とあなたやパートナーの好みが一致するお店もポイントが高いです。
2.3.1: 柔らかさ
スーツの生地をつまんで柔らかさの感触を確かめます。
しっとりとした柔らかさのある生地が理想です。
2.3.2: 光沢の有無
光沢のあるスーツを試着してみてください。
室内の電気の下と、日光の光りのあたった光の加減など、場所を変えて光沢の様子を観察します。
光沢のあるスーツは、上品な印象を与えてくれるので
2.3.3: シワの戻り
スーツの裾、もしくは腕の部分をギュッと握った後、放してみてください。
シワがすぐに戻りますか?
元の状態に戻ろうとする力が強い生地は、上質な生地です。
シワがすぐに元通りに戻る生地かどうか、確認してみてください。
まとめ
当然ですが、初めての人は特にオーダースーツは慎重になります。
初めてだと、どうしてもお店の流れに合わせていかなければならず、出来上がるまで不安もあります。
反対に、初めてのオーダースーツの出来上がりは感動ものです。
自分の体にこだわって、時間もお金もかけて作ったスーツを着た時のフィット感は、忘れられなくなります。
スーツの出来上がりを待っている間に不安があった分、嬉しさも大きいです。
その感情の揺れも、オーダースーツの醍醐味と言っていいでしょう。
あなたとあなたのパートナーが、心地良い満足感でオーダースーツに巡り会えるよう、ぜひ参考にしてみてください。