オーダーの醍醐味、と問われる時、思い浮かぶものは何でしょう?
私自身の考えではありますが、1つは着心地かな、と思います。
フィッターという立場からすると納品したジャケットやスーツがお客さまの身体にフィット。
その瞬間のお客さまの笑顔は最高のご褒美になります。
そして醍醐味のもう一つは生地選び。
ゼニアやロロピアーナ、ドーメルに御幸毛織などメーカー渾身の生地からお客さまに相応しい一枚を選び抜いた時
なんともいえない心地よさを覚えるのは私だけでしょうか…
なぜ、ヴィンテージ生地は人気があるのか?
お客さまによっては「ヴィンテージ生地でぜひ」と要望される方もいます。
オーダーを好まれるお客さまにはヴィンテージ生地を好まれる方もいます。
その理由を聞いてみると1つは*自分が最後の一着を仕立てる満足感があるという回答がありました。
ヴィンテージ生地の定義は人によってまちまち・・・
という認識なのですが、私個人の考えでは昔の織機で織られた生地です。
ですから、今はすでに生産が停止されており、今目の前にある一枚が最後の一枚である可能性もあるということです。
また*生地のコシが強く味わい深くなっていくという回答もありました。
ヴィンテージ生地はどちらかというと重厚な雰囲気を漂わせるものが多い印象です。
実際に着てみると最初はややゴワついた着心地のものもあり、細い糸で織られた肌触りの柔らかい生地を好む方からは敬遠されるかもしれません。
しかし大切に着続けることで自分だけのシワが生地に刻まれ、愛着が湧いてくる、という愛好家もいらっしゃいます。
もちろんヴィンテージ生地には柔らかい肌触りのものもありますので、
そういう最後の一枚を探し自分のために好みの一着を仕立てるという楽しみは確かにありそうです。
もうひとつ、ヴィンテージ生地の知られざる秘密・・・
そしてヴィンテージ生地を選ぶ理由のもうひとつにこんなものもあります。
*コーディネートしやすい
これはどういうことなのか?
実は、ヴィンテージ生地をよく見てみると、いろいろな色の糸が使われていることもあります。
一見ネイビーなのによく見ると緑や赤の糸が使われていたり
グレーなのに茶色や紺の糸が使われていたりという具合にです。
コーディネートの原則は「色を使いすぎないこと」にありますが、
いろいろな色が実は使われているヴィンテージでジャケットを仕立てた場合
ネクタイやパンツ、チーフなどほかのパーツとの色が合わせやすくなるわけです。
結論。オーダー初心者こそヴィンテージ生地がオススメ
ということで、色合わせなどのコーディネートが苦手なオーダー初心者こそヴィンテージ生地がオススメです!
ちょっと乱暴な結論ですが、、、
好みもありますので、生地選びの際に参考になれば、幸いです。
今日もダンディズムあふれる一日をお過ごし下さい。
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タイミングによってはヴィンテージ生地を選べるかもしれません!
ダンディズム動画
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着用のたび、また定期的に手入れをし、愛着ある一着に育てていきたいですね。