ジャケパンと言えばその名の通り、メインはジャケットとパンツですがこの二つが重要だということは、皆さんご存知でしょう。
一方で、あまり注目を浴びないのですが、同じくらい注意を払って頂きたいのが「インナー」。
ジャケットやパンツは、毎日違う物を着るのは難しいもの。
一方でインナーは数を揃えやすいですし、同じパンツとジャケットでも、中に着ているワイシャツが違うだけで、コーデの印象も変えられます。
そんな重要なインナーに、拘らない手はありません。
そこで今回は5つのオススメのインナーをピックアップしました。
そして夏と冬に分けたシーズン別のインナー選びの秘訣も紹介するので、是非最後まで読んで頂き、あなたのニーズに合うインナーが見つけて頂ければと思います。
インナーの種類
まずはシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ベスト(ジレ)、ニットという、5つのインナーを紹介します。
フォーマルな場向けの装いから、休日のカジュアルなコーディネートまで、インナー1つで違う雰囲気を演出することができるので、参考にしてください。
シャツ
ジャケパンの魅力はたくさんありますが、その一つは「大人っぽい」、「デキる人」そんな印象を与えられる点ではないでしょうか。
そんなジャケパンのスタイルを目指すならば、インナーはシャツで間違いありません。
他のインナーもこれから紹介していきますが、キチンとした印象を与えたいならシャツを選ぶべきでしょう。
シャツの利点はもう一つあって、それはシャツを着るとジャケットが長持ちする、ということ。
Tシャツやカットソーの場合、襟が無いのでインナーの首裾の部分がジャケットと擦れてしまいます。
一方でシャツは襟があるので、ジャケットの首部分と擦れても摩擦が少なく、そこまでは痛みません。
また、汗ばむ季節になると、インナーに襟がないとジャケットが直接、首周辺の汗を吸う事になります。
ジャケットが汗を吸うと、襟裏の型が崩れてしまったり、変色したり、ジャケットの損傷に繋がる可能性があるので、注意しましょう。
Tシャツ
ジャケットを着て大人っぽい雰囲気は出したいけど、キチンとし過ぎても浮いてしまう・・・
そんな時は、Tシャツをインナーに使ったカジュアルなジャケパンがオススメです。
まずTシャツ選びですが、Tシャツはシンプルが故に、サイズの選択が重要になってきます。
メーカーによっては同じ”S”でも仕様が異なることが多々あるので、記載のサイズ値はあまりあてにせず、試着するなり鏡を見ながら体に合わせるなりして、確認しましょう。
インナーとして着るならばジャストサイズがオススメで、丈はズボンのポケットが隠れるか、隠れないかぐらい
そして袖丈は肘まで5cmから6cm程を目安にしてみてください。
またもう一点チェックしておきたいのが、カジュアルコーデ時のジャケット。
Tシャツをインナーとして使う場合、ジャケットがフォーマル仕様のものだと合わせづらいのが実情です。
ウール材以外の、例えばコットン地のジャケットなどで合わせてみると、ちょうどいいかもしれません。
以上の点をおさえて、仕事の日とはまた違った、大人なオフのオシャレを演出してみてください。
ポロシャツ
ポロシャツは、シャツのフォーマルさ、Tシャツのカジュアルさの両要素を併せ持つインナー。
シャツのように襟がついているのでキチンとした装いになる一方で、Tシャツと同じく厳密には肌着・下着の一種になるので、シャツに比べるとラフな印象になります。
無地のポロシャツも合わせやすくてオススメですが、アクセントになるボーダー柄もオススメです。
尚、ジャケットのインナーとしてポロシャツを着る場合、チェックしておきたいポイントは襟。
ポロシャツはTシャツと違い、襟がついていますが、シャツの様に襟が大きめでしっかりしている方が、ジャケットと合わせ時に見栄えします。
ここからはまめ知識ですが、ポロシャツとは、「ポロ」というイギリスの伝統スポーツが由来になっているのですが、ご存知でしたでしょうか?
そして、そこからポロシャツを世に広めたのが、ワニのロゴで有名なブランド「ラコステ」の創業者であるルネ・ラコステ氏です。
彼自身、テニスプレーヤーとして活躍したのですが引退後、自身のテニス人生を振り返り、選手達のテニスウェアーに改善の余地があると考えました。
そして優れた吸汗性と伸縮性に着目し、ポロ競技用のシャツをテニス用にアレンジしたのです。
そうしたところテニスプレーヤーに大ヒットし、後に彼と結婚することになる女子ゴルフプレーヤー、シモーヌ・ティオン・ド・ラ・ショーム氏も着用したことがきっかけでゴルフ界にもポロシャツが広まりました。
ベスト(ジレ)
ジャケパンコーデにも慣れてきて「周りとちょっと違いを出したい」、「いつものジャケパンにちょっとアレンジをしてみたい」なんて思っている人にお勧めなのがベスト(ジレ)。
使い方はシャツとジャケットの間にベスト(ジレ)を加えるだけ。
ベスト(ジレ)がコーデに与えるメリットとして挙げられるのが、胸板を厚く見せる効果です。
これはジャケットの前ボタンの位置から首元までの「Vゾーン」に奥行きができ、視覚効果が生まれるから。
胸板を厚く見せることにより、頼りがいのある男のイメージを演出できます。
また、コーデにベスト(ジレ)を加えることにより、色が増えたり、重ね着による立体感が生まれたりし、華やかな印象になります。
フォーマルなだけでなく、パーティなどの場でオシャレな雰囲気を出したい時に持って来いのアイテムと言えるでしょう。
また、もしかするとベストとジレの違いについてよく分からない、と言う人もいるかもしれません。
ベストとジレの違いについて説明すると
ベストはアウターとしても使える作りになっており、シャツとベストだけのコーデも成り立つよう、前だけでなく後ろ、あるいは横まで、全体が装飾されています。
一方でジレはインナーとしての使用が前提として作られており、ベストのように全体は装飾されていないケースが多いようです。
ジャケパンコーデにおいては、ジャケットを脱ぐ場面も想定されるため、ベストの方がオススメではありますが、近年では装飾の多いジレも出てきているので、物次第でどちらともアリ、というのが実情です。
ニット
寒い冬場に活躍するのがニット系のインナー。
ニットは保温力が高いのでジャケットとシャツの間に着ておけば、冬場でも寒さ知らず。
またニットは見た目的にも温もりを感じさせ、相手に温厚な印象を与える事ができます。
インナー用のニットを探す時のポイントは細い糸で縫われたニットを見つけること。
太い糸で縫われたニットはカジュアルな印象になりやすく、ジャケパンには合わせづらい傾向にあります
またサイズの選択も重要です。
肩幅が広い物が多いので、ジャケットとシャツの間に不要な隙間が生まれないよう、ニットに弛みが出ていないか、試着してチェックしましょう。
色の選択についてはベスト(ジレ)にも通ずる事ですが、ジャケットと同系色を選ぶとコーデがまとまり易くてオススメです。(ジャケットではなく、パンツの色に合わせるのもアリです。)
無地が合わせやすくオススメですが、柄モノもジャケパンには合うので試してみてはいかがでしょうか。
夏と冬のインナー選びについて
ここまでの紹介で既にお気づきかもしれませんが、インナー選びは体感温度に関わってきます。
夏は汗ばむので通気性がよいインナーを選びたいですし、冬は保温効果のあるインナーを選びたいところ。
ということで、ここからは夏と冬に分けた、インナー選びを紹介します。
夏
Tシャツでクールに
もしカジュアルな装いが許されるのであれば、汗を吸収しやすく、乾きやすいTシャツが夏場にはオススメです。
尚、Tシャツには首元の形状が違う種類がいくつかあります。
首元がU字状に開いた「クルーネック」、V字状に開いた「Vネック」、U字状且つ鎖骨が見えるくらいの範囲まで開いている「Uネック」など。
「クルーネック」
「クルーネック」は定番の型ですが、元サッカー選手のベッカム氏がジャケパンスタイル時に愛用していたことで知られています。
Tシャツの中では最も胸の露出が少ないので、清潔感をアピールできる選択と言えるでしょう。
「Vネック」
「Vネック」はクルーネックよりも露出の範囲が広がるのですが、V字状になっているので、だらしないイメージにならないのがメリット。
また、首元がV字状になっていることにより、全体的に細身に見せる視覚効果があるので、細身の男性ならタイトフィットなジャケットとパンツがマッチします。
「Uネック」
「Uネック」は鎖骨まで見える上、U字形状になっており、最も首元の露出が多い型です。
ネックレスを付けたり、サングラスを胸元に掛けたりして、ラフなコーデに仕上げてみてはいかがでしょうか。
尚、色についてはいずれの型もホワイト、グレイ、ネイビーといった色がラフになり過ぎずオススメです。
夏に合うシャツとは?
「Tシャツが涼しいのは分かるけど、カジュアル過ぎてNG」。
そんな人にお勧めなのが半袖のシャツ。
襟がついているのでジャケットと合わせた時にフォーマル感が出すことができますし、半袖なので熱を逃がしやすく、涼しく過ごす事ができます。
そして、半袖シャツを選ぶ際のポイントはサイズ感。
肘まで数センチ程の半袖シャツをよく見かけますが、肘まで5cm以上の丈の方が、スーツを脱いだ時に上半身のボディラインがキレイに出ます。
要は半袖でも袖が短めのモノを選びましょう、ということです。
袖が長めの方が余裕のある作りで動きやすいのですが、だらけた印象になりがちなので、極力袖が短くて体にフィットするサイズをオススメします。
そしてシャツは襟の形状によって種類があるのですが、ノーネクタイの夏場にオススメな「ボタンダウン」と「スナップダウン」の二つを紹介します。
「ボタンダウン」
ボタンダウンは、襟先にもボタンがついている形のシャツ。
襟先のボタンを留めることにより、襟を固定できるのがポイントで、ネクタイを使用しない夏でも襟の形がキレイに保たれるのでメリットです。
「スナップダウン」
スナップダウンは一見襟の固定が無いように見えるのですが、襟の裏にフックやボタンがついています。
ですので、ボタンダウンと同様にノーネクタイでも襟の形をキープでき、クールビズ時に活躍するシャツの一つ。
またボタンダウンは襟先のボタンが前から見えますが、スナップダウンは前から何も見えないのでクールビズ時でもフォーマルな場に向いているといえるでしょう。
以上となりますが、クールビズ時は軽装で単調になりがちなので、シャツを一工夫して選び、周りと差をつけましょう。
冬
冬場の主役はニット
冬と言えば防寒対策。
防寒対策にお勧めなのがニット。
保温性と温もりのある見た目がポイントで、使いこなせれば暖かくて、おしゃれで、一石二鳥なアイテムです。
上記のニット紹介箇所でもお話しましたが、太い糸を使用したニットをインナーに着てしまうと、ジャケットよりもインナーが目立ってしまいます。
ですので、細い糸を使用した「ハイゲージ」と呼ばれるニットをオススメしたく、ジャストフィットなニットを選んで、ジャケットのVゾーンをキレイに見せましょう。
尚、ニットを着出すタイミングですが、目安としては日中の気温が20℃を下回るぐらいから、と言われています。
また、シャツ同様にニットにも種類がいくつかあるので紹介させてください。
クルーネック
ボタンが無く、頭から被るプルオーバーの型です。
Tシャツのクルーネックと同様にオーソドックスな首回りの形なので、体形、身長等を問わずコーデに合わせやすいニットの型と言えるでしょう。
Vネックやカーディガンに比べるとカジュアル度が低いので、仕事場でのジャケパンにもオススメです。
Vネック
クルーネックとの違いは首回りの形状。
V字状に首回りが開いているため、顔を細く見せる効果があると言われています。
「クルーネックだとちょっと無難過ぎるかな」という人にお勧め。
カーディガン
カーディガンはクルーネック、Vネックのいずれよりも首回りの開きが大きいので、中に着ているシャツを見せたい時に活用できます。
また、前にボタンがついているので着脱しやすいこともメリットと言えるでしょう。
特に季節の変わり目は温度管理が難しいので、体感温度に合わせて脱いだり、着たりできるカーディガンは重宝されます。
最後にマメ知識ですが、カーディガンの起源は1800年代のイギリスで、陸軍軽騎兵旅団長のカーディガン伯爵ジェイムズ・ブルデネルが考案したと言われています。
怪我をした兵士に寒さを凌ぐためにセーターを着せていたところ、着脱しづらかったため、前開きにしてボタンをつけた、とのことです。
真冬の秘密兵器「インナーダウン」
究極の防寒対策とも言えるのがダウンをインナーとして着る、インナーダウン。
下手に薄手のインナーを何枚も着込むよりも、インナーダウンを一枚着るだけの方が暖かくて、着膨れせずスリムなシルエットに収まります。
また、インナーダウンは保温効果が高いので、秋まで着られたけど冬には薄いかな・・・なんていうアウターを着られるメリットも。
そんなインナーダウンを選ぶ時のポイントですが、まず色は黒がオススメです。
なぜなら、黒は「収縮色」と呼ばれ、コンパクトに見せる視覚効果があるから。
逆は「膨張色」と呼ばれ、代表格は白なのですが、白のインナーダウンを着るとインナーが目立ってしまい「着込んでいる」という印象が強くなってしまいます。
実際のところインナーダウンは「モコモコ」しているので、こういった視覚効果を逆手にとって、コンパクトな印象にすることは重要と言えるでしょう。
まとめ
シャツ
Tシャツ
ポロシャツ
ベスト(ジレ)
ニット
の5種類のインナーの紹介に始まり、夏と冬に分けたシーズン別のインナー選びについてお話しました。
夏には汗を吸収しやすいTシャツや、ネクタイを締めなくても、襟の形がキープされる
ボタンダウン
スナップダウン
といった種類がオススメです。
街中を歩いていると、職場の都合なのか似たような格好をした人が多いように見受けます。
そんな中で、もし、あなたはジャケパン等のオシャレをできる環境下にあるならば、是非本記事の内容を参考にして頂き、見逃しがちなインナーのラインナップを充実させてみてください。
また一方でスーツ勤務のあなたも、クールビズ時のシャツや、冬場のニットやインナーダウンは活用できるはずなので、オシャレだけでなく機能面からも参考にして頂ければと思います。