クレリックシャツをご存じでしょうか。
名前は聞いたことがあるけれど、どういったシャツなのかわからない。
着こなしがわからない。
そんな方もいらっしゃるかと思います。
クレリックシャツはビジネスシーンやパーティーシーンで華やかさを演出できるドレッシーさを兼ね備えたシャツ。
今回は、クレリックシャツを知っていただき、去年までとは違う、今年の夏の定番として選んでもらいたいと思います。
クレリックシャツってなに?
(1)クレリックシャツとは
耳にすることはあるけれど「クレリックシャツ」とはどういうものかは、いまひとつピンと着ていない方もいらっしゃることでしょう。
クレリックシャツとは、どういったシャツなのかというと次のような特徴を持っています。
・前身頃や後ろ身頃の部分が柄や色無地になっている
・襟やカフス部分が白地になっている
この2つを持っているシャツをクレリックシャツと言っています。
クレリックシャツは、これまでにもあったシャツとは違い、上品でありながらカジュアルな装いも楽しめるシャツとして人気が出てきました。
少し前なら、こういったカジュアルな装いを楽しめるシャツというと「ボタンダウン」の独擅場でしたが、クレリックシャツの人気が出てきたことで、選択肢が増えたということにもなっています。
そしてクレリックシャツは、カジュアルな装いを楽しむことの多い「クールビズ」の季節に重宝されることが増えました。
無地の白いシャツ1枚では、どこかカッコよく決まりにくい場合でも、クレリックシャツなら、身頃に色や柄があるため白特有の膨張した印象も軽減されつつ、襟やカフス部分が白いため色の対比によって「キリッ」とした部分が出来あがります。
そのため、シャツ1枚でもかっこよく見えますし、カラダがスマートに見えやすくなる効果も期待できます。
(2)クレリックシャツの由来
このような「クレリックシャツ」ですが、この呼び名は和製英語ですので日本以外では通用しません。
英語では、
・カラーセパレーテッドシャツ
・カラーディファレントシャツ
・ホワイトカラーシャツ
と呼ばれています。
この呼び名からも想像できるとおり、クレリックシャツは元々労働者向けのシャツであるということです。
ドレスシャツのようにパーティーなどで着られるシャツではなく、汚れたりすり切れたりすることのあるシーンで着られるシャツだったため、汚れやすく傷みやすい「襟と袖」を取り替えられるように白生地にしたという説もあります。
このような由来があるため、クレリックシャツにフォーマルは似合わないという意見もあるようですが、最近では白無地のシャツよりもエレガントであるという話もあり、いつもとは違いを出したいダンディズムを追求する方に人気があります。
クレリックシャツの基礎知識
クレリックシャツの基礎知識を知っておくと、着こなしのヒントになるでしょう。
(1)ダンディズム
先ほども少しふれましたが、英国調のクラシックな印象を醸し出すには、クレリックシャツは最適です。
1920年代にイギリスで流行し、英国王室でも愛用された経緯から考えると、当然の結果だと言えるでしょう。
まわりとは違ったダンディズムあふれる雰囲気をまとう時に選びたいシャツですね。
(2)ドレッシーで上品
襟とカフス部分が白生地なので、身頃部分に色柄があっても清潔感を失うことがありません。
また襟とカフス部分の白生地によって、身頃とのコントラストが良い方向へ作用し、キリッとした印象を与えることにも役立ちます。
白無地のシャツよりも、おしゃれでありながら上品。
そしてドレッシーさもありますので、女性からの評価も高いようです。
(3)ネクタイも合わせやすい
襟元に色や柄があると、ネクタイ選びに悩んでしまう方も多いはず。
でも、クレリックシャツの場合は、襟が白生地なのでネクタイを合わせやすいんですね。
身頃とのコーディネイトだけ気にすれば、襟元は白ですからネクタイもすんなり収まってくれます。
(4)Vゾーンが綺麗
スーツで大切な部分というと、視線が行きやすいVゾーン。
クレリックシャツは襟が白生地なので、Vゾーンにおける大事なポイントである「清潔感」をクリアできます。
また、Vゾーンから覗く身頃の色や柄と、襟の白さがアクセントとなり、上品でありながら目を引くVゾーンを作りやすくなるでしょう。
襟が白いだけで、Vゾーンがゴチャゴチャしないのでビジネスシーンでも活躍させやすいです。
(5)ノーネクタイもOK
襟の白さがアクセントになると、ノーネクタイでも使いやすくなります。
白生地のシャツでは、襟元と身頃のメリハリがありませんので、シルエットも立体的になりにくいですが、クレリックシャツの場合は襟がアクセントとなり、胸元を立体的に見せる効果も期待できるでしょう。
クレリックシャツの着こなしを知ろう
クレリックシャツの着こなしは、次の3つの視点で考えると選びやすくなります。
(1)シーンで選ぶ
● ビジネスシーン ●●●
なるべく身頃の色柄を少なくし、落ち着いた印象にすることが大切です。
ブルー系のストライプなどは、派手になりすぎないのでビジネスシーンで使いやすいクレリックシャツになるでしょう。
秋冬の場合は、ブラウン系のストライプを選ぶと、ビジネスシーンでも活躍してくれます。
● カジュアルシーン ●●●
クレリックシャツにストライプなどを選ぶのなら、ジャケットを無地にすると「チラ魅せ」ジャケパンスタイルができあがります。
全体的にカジュアルシーンでも派手さを抑えた色柄がおすすめです。
● クールビズシーン ●●●
ストライプや明るい色のクレリックシャツがおすすめです。
どうしてもシャツ1枚ですと、立体感やメリハリが乏しくなりますので、襟の形にこだわることで、クールビズでもおしゃれを楽しむことができます。
(2)レベルで選ぶ
クレリックシャツは、シャツのレベルで選ぶこともできます。
既製のシャツもありますし、自分のサイズにぴったりあったオーダーシャツを選ぶこともできます。
特にオーダーシャツの場合、
・サイズがぴったりである
・縫製の質が高い
・生地も上質
・襟の形も選べる
というメリットがありますので、洗い替えも考えて2~3着はオーダーシャツを持っておきたいところです。
最近では、7000円くらいからパターンオーダーのシャツもありますので、シャツのレベルから選んでいただくことも簡単になっています。
(3)色柄で選ぶ
● ブルー ●●●
ブルー系のクレリックシャツは、ビジネスシーンで使いやすいネイビー系のスーツと相性が良いです。
真面目な印象で落ち着いた雰囲気になりながら、Vゾーンからチラッと覗くおしゃれ感が華やかさを演出してくれます。
ネクタイにも明るい色を選ぶと、新鮮な印象になるでしょう。
● ピンク ●●●
グレーのスーツを着ることが多いのなら、ピンクのクレリックシャツがおすすめです。
ピンクは薄めの色に似合いますので、華やかさも手に入ります。
● チェック ●●●
身頃がチェック柄になっているクレリックシャツは、カジュアルな雰囲気を作れます。
結婚式の二次会や、ビジネスシーンでも「カジュアルデイ」などに似合います。
まとめ
クレリックシャツは、ビジネスシーンにもプライベートなカジュアルシーンにも使いやすいアイテムです。
特にビジネスシーンでは、清潔感がありながら目立ちすぎないオシャレも楽しめますので、あなたらしい楽しみ方ができるでしょう。
まずは、クレリックシャツが使いやすい「春夏」にデビューしてみてはいかがでしょうか。