女性を代表して言わせていただきますが、日本のカッコいい男性って、残念ながらまだまだ少ないんです。
ブレザーにテーパードパンツ、素足に革靴、そしてサングラス。
イタリアの男性ってかっこいいんですよね。
しかも若い人より40過ぎのおじさまの方が断然素敵!
雑誌LEONが火付け役となり、”ちょい悪オヤジファッション”が数年前に流行りました。
ジローラモさんのファッションを真似た人も多かったのではないでしょうか?
そして2014年春には更に上の世代をターゲットにした”やんちゃジジイ”を提唱する、雑誌マデュロが創刊され、ますます世の年齢層の高い世代が注目されています。
ちょい悪オヤジ世代といえば40代、50代ですが、マデュロは50代、60代なんですね。
ということは、今注目されているのは40代~60代というわけです。
ちなみに日本の有名人でカッコいい『ちょい悪オヤジ代表』と言えば、高田純次さんと矢沢永吉さんが思い浮かびます。
海外の男性だとヒュージャックマン、ロバート・デニーロあたりかな。
皆さんファッションにこだわりがあって、しかも渋カッコいいんですよね。
共通するのは、ただコーディネートがカッコいいだけじゃなくて、年齢相応の渋みの上にファッションが乗っていること。
洋服に着られてしまうのではなく、中身の伴った”着こなす”ファッションです。
キーワードは成熟。
確かに、若い男性には出せない渋みや包容力は、人生経験を積み重ねてきたからこそにじみ出る余裕と色気にあります。
40代以上のみなさん!それを生かさないなんてもったいない!
ちょい悪オヤジ、やんちゃジジイファッションを習得して、世の女性たちをメロメロにさせてください!
どう着こなすかはバランスで決まる
「俺はジローラモのように痩せてないから・・・」とあきらめてはいませんか?
確かにスマートであれば選べる服の幅も広がりますが、上の画像を見てみてください。
イタリアの、ごく普通の街角のおじさんです。
普通にただ座っているだけなのに、十分カッコ良くありませんか?
それにロバート・デニーロを思い出してください。
特別体形ではなく、背も高いわけではなく、むしろおじさん体形です。
しかし何を着てもサマになります。
どうしてだと思いますか?
カッコいい人達は、バランスが良いのです。
トータルバランスを考えてコーディネートするということを心に留めておけば、自分なりのカッコいいスタイルが見つかります。
ちょい悪ファッションの基本はトラッドスタイルです。
まずトラッドスタイルをかっちり着こなして、そこから着くずしていくのです。
そして、自分のサイズに合ったものを着ること。
大き目のサイズを着ると、ダブダブでより大きくだらしなく見えてしまいます。
また、タイトがいいからといってピチピチすぎるのも、見苦しく、窮屈な感じを与えます。
ちょい悪オヤジファッションはミニマムでタイトが基本ですが、普通に自分に合ったサイズを着て、そこから着くずせば大丈夫です。
おすすめなのはイタリアンブランドです。
イタリアの洋服はジャケットならウエストが絞ってあり、丈も短めのデザインです。
イタリアの洋服を選んで自分サイズをみつければ、無理なく着こなせます。
よく上着だけ大き目のものを着て、上半身のボリュームが出てしまっている人を見かけますが、全身のラインが縦のIのラインになるように心がけてみましょう。
昔は逆三角形が流行った時代もありますが、今は肩幅を強調しないのがベスト。
上着をコンパクトにすれば、足も長く見えて全体的にスマートな印象になります。
ちょい悪オヤジ、やんちゃジジイで意識したいのは上品さとスマートさです。
カチッとしていないのに、上質さを感じさせる、そんな大人のファッションを目指しましょう。
基本のキ、ジャケパン
トラッドスタイルといえば、ジャケットとパンツのスタイル、ジャケパンです。
スーツは上下セットですが、ジャケパンはそれぞれ単体で購入します。
着回しが利くので、基本をマスターしてしまえば、とても便利でオシャレの幅が広がります。
ジャケットはオーソドックスな無地のグレーかネイビー、ブラックが基本です。
この3色は大抵の色に合うので、大変重宝します。
慣れてきたらベージュや柄ものを増やしていきましょう。
ベージュは薄い色のため春夏に活躍する色ですが、合わせるパンツや小物によって表情が変わるため、意外と活躍の場が多い色です。
パンツはチノパンやカラーデニムのテーパードパンツがおすすめ。
テーパードとは、裾に向かってシェイプされたシルエットのパンツのことです。
テーパードパンツは腿のあたりはゆったりしているので、比較的履きやすいパンツです。
また、裾はスリムなので足首がダボつかず、スタイリッシュに見せてくれます。
パンツですが、ついゆったり目が楽だからという理由でタック入りを選んでしまいますが、タックが入っているものは避けましょう。
タックが入っていると上半身がスリムでも下半身が膨らんで見えて、バランスが悪くなります。
ノータックの方が、スリムでスタイル良く見えます。
裾の丈はジャストレングスのものを選びましょう。
春夏なら足首を見せるとよりスタイリッシュです。
トータルコーディネートでの注意ですが、慣れるまでは柄on柄は避けましょう。
ジャケットがチェックならパンツは無地というふうに、柄に無地を合わせるのが基本です。
また、中に着るシャツにも気をつけましょう。
シャツが大ぶりの柄ならジャケットとパンツは無地にする、またネクタイが柄物ならシャツは無地にするというように、柄と柄がぶつからないようにすると失敗しません。
もし明るくしたいなら、シャツやパンツの色で遊ぶというのも一案です。
ペールトーン(パステルカラーよりは強め、ビビッドカラーよりは弱めの中間的な強さ)のピンクやグリーン、イエローやブルーなどを取り入れると、形はトラッドでもカジュアル感が出せます。
シャツはノーネクタイにするならイタリアンカラーのドレスシャツがおすすめです。
イタリアンカラーとは、第一ボタンのないシャツのことで、ノーネクタイを前提として作られています。
普通のシャツでも第2ボタンくらいまで外すことで、簡単に着くずすことができます。
もしネクタイをする場合には、同系色よりも締め色を選びます。
締め色とは黒っぽい色のことで、紺やエンジなど、ダーク系の色です。
小物の扱い方
小物は意外と重要です。
ベルト、靴、ポケットチーフ、スカーフ、サングラスなど、ちょい悪オヤジファッションを完成させる、引き立てアイテムです。
小物上手はオシャレ上手。
ベルトと靴の色や革を合わせたり、シルクのポケットチーフをふわっとのぞかせたりするだけで、ファッションセンスの格が上がります。
ベルト
ベルトはバックルの表情で変わります。
カジュアルにするならデザイン性の高いバックルのものを。
ビジネス用のベルトをそのまま流用すると、ベルトだけ浮いてしまいます。
よりカジュアルにしたいなら、メッシュのものをチョイスしましょう。
ベルトと靴の色味を合わせると、統一感が出てオシャレな印象になります。
財布で有名な革製品の老舗ブランド、ホワイトハウスコックスのベルト。
洗練されたデザインはさすがです。メッシュならではのカジュアル感を出せます。
クリスチャン・ディオールのメンズ、ディオールオムのベルトです。
こんなシックなベルトをホワイトジーンズに合わせるのも素敵ですね。
靴にはこだわりを
靴は良いものを選びましょう。
靴はその人を表すと言いますが、靴で全体の印象がかなり変わります。
女性が成熟した大人の男性を意識するのは、もしかしたら手入れの行き届いた上質な靴かもしれません。
カジュアルに着こなすならローファーやスリッポンがおすすめです。
すっきりとした印象になり、きちんと感もあるので取り扱いやすいアイテムです。
また、スニーカーならちょっといいブランドのものを。
スポーツブランドではなく老舗のブランドから出ているスニーカーがおすすめです。
高品質で有名な、パラブーツのローファーです。
ローファーは履き心地で選びましょう。
ジョンロブはスニーカーも出しています。革のスニーカーならオシャレ度もアップします。
ポケットチーフ
ポケットチーフは差し色として大活躍します。
ポケットチーフは小さいハンカチくらいのサイズが多いですが、出来るだけ大判のものを選びます。
ポケットチーフはフォーマルなら麻素材、カジュアルならシルクを用います。
シルクのチーフは、パフドスタイルというくしゃくしゃと丸めて入れる入れ方が一般的です。
シルクのチーフはすぐにしぼんでポケットに沈んでしまうので、派手めに作るくらいがちょうど良いです。
色はネクタイとは別の色を選んだ方が、遊びがあって素敵です。
海外ではネクタイとチーフが同色なことをマッチメイトと言い、センスの無さを表すので注意。
エミリオ・プッチは女性ブランドで華やかなイメージですが、イタリアのブランド好きの男性からは多く支持されています。
上質なシルクやカシミアを手掛けているブランド、RODA。
セレブに人気です。
スカーフ
最近は男性もスカーフを使っている人が多くなりましたね。
スカーフが使えるようになれば、オシャレ上級者です。
しかも雰囲気作りだけでなく、巻き方ひとつでネクタイの代わりに用いるなど、機能的にも優れたアイテムです。
首にラフにかけるだけで、ダークトーンのスーツに色を添え、雰囲気を作ります。
なんでもないホワイトシャツにガーゼ生地のストールをひと巻き。夏なら綿素材も涼しげです。
サングラス
サングラスはちょい悪オヤジのトレードマークともいえるアイテムです。
どんな形をチョイスするかによって、ファッションのイメージが変わります。
フレームの色や素材、グラスの色や透明度などによっても表現できるサングラスは必須です。
扱いやすいのはウェリントン。
オーソドックスですが、どんな顔にも合う流行り廃りのない形です。
誰もが知るレイバンのサングラスです。
フレームにカーフレザーを使用。
高級感があふれます。
丸メガネも知的でおしゃれな印象です。
グラスの色にもこだわって。
ここさえ押さえれば完璧!おすすめブランド
ちょい悪オヤジファッションを極めたいあなたのために、おすすめブランドをご紹介します。
自分で探すのは面倒、というあなたでも、このブランドさえ押さえていれば大丈夫。
老舗高級ブランドで脇を固めましょう。
Belvest(ベルベスト)
公式サイト:http://www.belvest.com/it/it
マシンメイドと高レベルな手作業を織り交ぜることによって、高い品質の服を実現しているブランド。
素材も厳選した良いものを使っているのが特徴です。
Cesare Attolini(チェザレ・アットリーニ)
公式サイト:http://cesareattolini.com/
イタリア・ナポリを代表するサルトリアブランドの一つ。
世界最高峰の仕立てなら、アットリーニを選ぶべきです。
伝説のサルトとされていた父のカッティングの技術や伝統的なディテールを継承し、チェザレ・アットリーニが1930年に創業。
今ではよく見るようになった重ねボタンも、実はチェザレの父が発明したディテールとのこと。
(Brioni)ブリオーニ
公式サイト:http://www.brioni.com/jp
1945年に創業したブリオーニ。
世界最高峰のサリトリアル・エクセレンスの技を持つ職人の手によって作られる完全オーダーメイドの服はクラシコ・イタリアの原型を作ったブランドとされています。
美しいシルエットと洗練されたセクシーさは、ジェームズボンド(ダニエル・クレイグ)が映画007家カジノロワイヤルで着用したことで広まりました。
まとめ
“ちょい悪オヤジ”と“やんちゃジジイ”の着こなしやブランドについて、お伝えしてきました。
なんとなく、「これなら自分にもできそうだ」と思ったのではないでしょうか。
全体のコーディネートとなるとしり込みしてしまいますが、一つ一つ分解して考えると、意外とハードルが低かったりします。
まずは1着のジャケット、そしてテーパードパンツを手に入れましょう。
これからの季節は、涼し気な麻混や綿混がおすすめです。
特に日頃からビシッとスーツを着こなしている方であれば、基本のジャケパンは難なく着こなせるはず。
そこから足したり引いたりしていけばいいわけです。
40代~60代は、オシャレも気兼ねなくできるので、良いブランドで遊べるという特権があります。
そして良いブランドの服は、若い男性には着こなせない迫力があります。
ブランドの迫力に負けずに服を着こなし、更に遊ぶことが出来るのは、成熟した大人の男性だけなのです。
今まで身につけたことのない、サングラスやスカーフなどにも、今後は是非挑戦してみてください。
きっと、ジローラモやロバート・デニーロに負けない素敵な着こなしができるはずです。
素敵な日本の男性が増えることを、期待しながら楽しみにしています。