ランチで食べたパスタソース。
書き物をする際、ペン先についたインク。
ほっと一息ついた時に飲むコーヒー。
スーツを着ている男にとって、こうした汚れが降りかかる危険というのは少なくありません。
特に白いワイシャツを好んで着る男性なら、常に汚れの危険とは隣り合わせ。
いくらスーツが男の作業着だといっても、スーツやシャツに汚れがついたまま重要な会議に出席したり、大切な取引先に訪問したりするわけにはいきませんよね。
汚れに気づいたのがオフィスの近くなら、戻って替えのシャツやスーツに着替えればいいですが、外出先で汚れがついてしまった場合、とりあえず急場しのぎでも汚れを落とす必要があるでしょう。
ただスーツに襲いかかる汚れのすべてが水と布で落とせる汚ればかりではありません。
中には、ちょっとやそっとでは簡単に落ちない汚れもあり、そのままにしておくと、ガンコなシミになってしまい洗濯しても汚れが落ちない…、なんて汚れも存在します。
だた、そんな今までならあきらめてしまっていたような汚れも、その汚れの原因を知ることで、身の回りにあるちょっとしたものを使って簡単に汚れを落とせるようになるのです。
また、汚れにいち早く対処することで、ガンコなシミにならず、今までだったら捨てるしかなかったような汚れでもキレイさっぱり落とせるようになります。
そんな日常で男のスーツに襲いかかる汚れをシュチュエーションごとに外出先でも簡単に落とせる方法を9つご紹介いたしましょう。
これさえ読めば、もう明日からあなたもスーツ汚れの心配はありません。
ボールペンには、消毒用エタノールで汚れを残さない
ワイシャツの胸ポケットにボールペンを挿していると、知らぬ間にボールペンのインクがシャツについてしまっていた…。
また、書き物をしている最中、ふいにシャツの袖口にボールペンのペン先が触れてしまった。
なんていう経験はありませんか?
特にワイシャツが白い場合、ボールペンの汚れは意外と目立ってしまうもの。
また、ボールペンの汚れはそのままにしてインクが乾いてしまうと、完璧に落とすことが難しくなるので、汚れに気づいたらできるだけ早く対処しましょう。
ただ、ボールペンは「消えにくい」のが特徴ですから、水で簡単に落とせるものではありません。
そこでおすすめしたいのが、会社や飲食店の入り口に置いているような手の消毒用エタノール。
エタノールには、油を浮かせて落とすという性質がありますので、エタノールを染み込ませた布でインクがついた部分を裏から叩いてやれば、ボールペンの汚れが浮き上がってキレイに汚れを落とすことができます。
エタノールと同じような効果として、マニュキュアを落とす除光液にも油性ボールペンの汚れを落とす効果がありますので、近くに女性がいれば、除光液を借りてみるのもいいでしょう。
ただし、エタノールや除光液を使えば、シャツが色落ちしてしまう可能性があります。
ですので、白以外で色のついたシャツの汚れを落とす場合は、クレンジングオイルがおすすめです。
クレンジングオイルは、そもそも化粧品の中に含まれる油分を落とすものですから、油汚れには相性はバツグン。
クレンジングオイルにも、乳化タイプ・クリームタイプ・オイルタイプの3種類があり、その中でも、オイルタイプがシャツのような衣類についたボールペンの汚れに強いので、オイルタイプを準備できればいいですね。
コーヒーには炭酸のチカラでアッと驚く白さに
訪問先での打ち合わせやオフィスでほっと一息つく時の飲み物といえば、コーヒー。
気が付いたら、一日の飲み物はすべてコーヒーだったという人も少なくないのでは?
でも、コーヒーは、ついうっかりこぼしてしまったり、はねてシャツが汚れてしまったりすると、色が黒なだけにとても目立ってしまいます
ただし、コーヒーの汚れは簡単に落とすことが出来るので、落ち着いて対処すれば、なんら恐れることはありません。
コーヒーのシミを取るために必要なモノは、水とティッシュが2枚だけ。
コーヒーをこぼしてしまったら、裏側に水で濡らしたティッシュを1枚あて、反対側からティッシュでトントン叩いていきます。
なんと、コレだけで黒くシミになってしまったコーヒーの汚れを落とすことが出来るのです。
というのも、コーヒーは油分が入っていない水溶性の汚れ。
水に溶ける性質があるので、水だけで十分汚れを落とすことができるのです。
他にも、醤油やジュースなども水溶性なので、もし、そういった汚れがついてしまったら、あわてず水とティッシュを用意しましょう。
また、普通の水よりも炭酸水(糖分ゼロ)のほうが汚れをより落としやすいので、炭酸水が手に入るなら、水よりも炭酸水を使ったほうが効率良く汚れを落とすことができます。
というのも、炭酸水の中に入っている二酸化炭素には、汚れを浮き上がらせる効果があるので、水よりも早く汚れを落とすことができるのです。
ニオイなんてドライヤーで吹き飛ばしてしまえ
出張先で、「是非、食事でも」と誘われた先が焼肉屋。
明日帰るから、スーツは1着だけでいいかと思っていたけど、コレは誤算。
ホテルに帰ると、案の定、焼肉のニオイがスーツについてしまっている…。
今からクリーニングに出しても、明日の朝にはとうてい間に合わないし、かといって、別のスーツを用意している時間もない…。
ファブリーズのような消臭剤が手に入れば良いのですが、それも手に入りそうにない。
そんな時、ホテルにあるドライヤーでそのニオイを吹き飛ばしてしまいましょう。
そもそもニオイは、洋服の繊維のスキ間に入ったニオイの粒子が付着していることが原因。
その粒子をドライヤーの風で吹き飛ばすことで、ニオイの原因をキレイさっぱり取り除くことができるのです。
また、ニオイは蒸気にも弱いので、霧吹きなどを使って、水分をスーツにふくませてからドライヤーの温風をあてるとより効果的ですね。
ドライヤーの風をあてたら、また、イヤなニオイがスーツについてしまわないようスーツを大きくバサバサと振って、ニオイが戻ってこないようにしましょう。
スチーマーがあれば、スチーマーの蒸気を当てることもニオイを取るのに有効ですね。
それでもニオイが気になる場合は、浴室にお湯を張って、蒸気をたっぷりふくませた状態にして、一晩スーツを吊るしておきましょう。
蒸気の効果でニオイが取れることはもちろん、シワ取りにもなるので、一石二鳥です。
カレーの黄ばみは太陽の光で自然に消せる
忙しいビジネスマンにとって、店に入ればサッと出てきて、時間をかけずに食べられるカレーはランチタムを短縮できる大きな味方。
でも、白いワイシャツにカレーの黄ばみがついてしまうのは、相性最悪ですよね。
カレーはコーヒーや醤油と違って油を含んだ油性の汚れなので、水で拭いただけでは、簡単に汚れを落とすことができません。
また、洗剤を使って洗濯しても、完璧に汚れを落とすのは難しい厄介な汚れ。
ただ、汚れが落ちないからといって、あきらめる必要はありません。
実は、カレーのシミは太陽の光にあてることで、自然消滅させることができるのです。
カレーの汚れである黄色いシミの原因は、スパイスとして使われるターメリックのクルクミンというポリフェノール成分。
このクルクミンは水に溶けにくいという性質を持っている反面、紫外線に弱いという性質があります。
ですので、水でカレーの汚れを落としたあと、黄ばみがついた部分を太陽の下にさらしておくだけで、自然とシミが消すことができるのです。
革靴の汚れを落とすにはバナナの皮を、しかもツヤまで蘇ります
オフィスの玄関を入る時、自分の足元をふと見てみると、なんだか革靴が汚れている。
休日には必ず靴を磨いていたけれど、ここのところ忙しくて、靴を磨く時間を取れていなかったな…。
さっきまでは気にしていなかったのに、一度気になりだすと、もう靴の汚れが頭から離れません。
午後からは大事なお客さんとの商談が入っているし、それまでに靴の汚れを何とかしないと。
そんな時、ウェットティッシュでサッと汚れを拭き取るだけでも良いですが、バナナの皮を使って、革靴を磨いてやることで、靴磨き用品がなくても革靴の汚れをキレイに落とすことができ、同時にツヤを出すこともできます。
というのも、バナナの皮には、革靴の革をなめす時に使われるタンニンが豊富に含まれているからです。
ですので、革にツヤを出すことはもちろん、タンニンには、たんぱく質や炭水化物を取り除く効果もあり、革についた汚れを簡単に落とすことができるのです。
もちろん、革靴だけではなく、バナナの皮はタンニンでなめされた革製品全般に使えますので、財布やカバンの汚れをサッと落としたい時にバナナの皮は使えます。
そのやり方は簡単。
食べ終わったバナナの皮の白い部分を使って、革靴を磨くだけです。
そのあと、布でからぶきをしたら、もう革靴はピカピカになっていることでしょう。
また、汚れが目立ちやすいスエード素材は消しゴムでゴシゴシこすることによって、汚れを落とすことができるので、汚れが気になる方はお試しください。
ガムは油を使えば、簡単に溶かすことが可能です
これだけ環境美化が叫ばれている時代にも関わらず、いつまでたってもなくならないゴミのポイ捨て。
道端に空き缶やペットボトルが捨てられているのをよく見かけますし、タバコの吸い殻もいまだに捨てられていますね。
そんなポイ捨ての中でも、我々にとって一番やっかいなのが、誰かが食べたあとのガム。
ガムは一度、踏んでしまうと、グチョグチョ靴の裏にまとわりついて、そう簡単に離れてはくれません。
しかも、誰が食べたかも分からないガムを触って、汚れを落とす必要があり、とても腹立たしいそんなガム。
ただ、紙や布だけでこすって取ろうと思っても、キレイに取るのは至難の業です。
そこでおすすめしたいのが、サラダ油を使ってガムを取る方法。
子どもの頃、ガムを噛みながらチョコレートを食べたら、口の中からガムがなくなっていたという経験はありませんか?
実は、ガムの原料であるチクルという樹脂は油に溶ける性質があり、チョコレートには油が含まれているので、その油とガムとが混ざるとガムが溶けてなくなるのです。
なので、革靴もガムがついた部分にサラダ油を塗ってやることで、みるみるうちにガムが油で溶けてなくなっていきます。
もちろん、油ならなんでも良いので、サラダ油に限らず、オリーブオイルでも、油を含むバターでもガムを溶かすことが可能です。
赤ワインには塩、汚れとトラブルには初動対応が重要
パートナーとレストランで食事中、ついつい楽しすぎて、体を揺らした拍子に赤ワインをこぼしてしまって、白いワイシャツに!
一度シミになってしまった赤ワインの落としにくさは、汚れの中でも1,2を争うガンコさになります。
というのも、赤ワインに大量に含まれるポリフェノールは、染色の材料として使われるくらいですから、そう簡単に落ちるものではないからです。
しかし、そんな赤ワインも汚れがついた時にしっかり対処すれば、シミにならず、汚れを落とすことができます。
汚れの落としやすさとは、仕事のトラブルと通ずるものがあり、正しい初動対応をすれば、その後の結果は大きく変わってくるのです。
赤ワインの初動対応で使うのは、ズバリ塩。
レストランの卓上なんかに置いている食塩を使って、赤ワインの汚れを落としていきます。
塩には水分を吸収する性質がありますから、赤ワインをこぼしてしまった部分に塩を盛って、手でもむようにして、塩に赤ワインを吸い込ませていきましょう。
赤ワインを吸った塩は赤く変色していきますので、赤ワインが染み込んだ塩は取り除き、また、新しい塩を使って、赤ワインを吸い込ませる。
これを何度か、洋服が半乾きになるまで繰り返します。
その後、水で濡らした布でシミを叩くように拭き取ることで、シミを残さず汚れを落とすことができるでしょう。
この方法は、時間が経って、赤ワインが乾いてしまうと効果がありませんので、赤ワインをこぼしたら、すぐに塩を探すことをおすすめします。
デキル男は、赤ワインがこぼれてしまったようなピンチでも慌てず騒がず、冷静に対処しましょう。
万が一の流血には、大根を用意しよう
乱闘に巻き込まれて、流血してしまった。
なんて場面は大人になれば、それほどありませんが、ヒゲそり中についうっかりカミソリで顔を切ってしまったり、かさぶたをめくっていたら血が止まらなくなったりして、シャツに血がついてしまうことはよくあることでしょう。
血液は時間が経てば経つほど血液中のたんぱく質が酸化するので、シミとなって残りやすくなり、洗濯しても落ちにくくなってしまいます。
そこで、赤ワイン同様、初動対応が重要なのですが、洋服に血液がついてしまった時に使うのは大根おろし。
大根には、ジアスターゼ、別名アミラーゼというタンパク質を分解する酵素が含まれています。
血液が洋服について落ちにくいのは、血液に色をつける色素である「ヘム」と「グロビン」というタンパク質が組み合わさって構成されるヘモグロビンが大きな原因です。
なので、そのヘモグロビンの主成分であるタンパク質を大根おろしのアミラーゼで落とすことで、血の汚れを簡単に落とすことができるようになるのです。
大根おろしに含まれるアミラーゼは血に限らず、タンパク質を伴った汚れなら、分解して落とすことができるので、タンパク質が含まれる牛乳にも効果的がありますね。
化粧汚れには食器洗い用洗剤で
満員電車に乗っていて、電車が揺れたタイミングで目の前の女性とぶつかって、シャツに女性の化粧がついてしまった…。
何も悪いことはしていないのに、帰ってから奥さんにあらぬ疑いをかけられたくはないですよね。
しかし、口紅やファンデーションは本来、顔に塗って落ちにくいように作られていますので、洋服についてしまうとそう簡単に落とすことができません。
慌てて紙や布で拭き取ろうとしても、汚れを広げてしまうだけで、かえって逆効果になってしまいます。
もし、洋服に化粧の汚れがついてしまったら、化粧を落とすために作られたクレンジングオイルが一番手っ取り早く落とせるアイテムですね。
ですので、女性にクレンジングオイルを貸してもらえるなら、クレンジングオイルを使うことでサッと簡単に落とすことができるでしょう。
ただ、クレンジングオイルを借りることができるような女性がいない場合、食器洗い用洗剤が化粧落としに効果があります。
食器洗い洗剤は、食器についた油汚れを浮かして落とすよう作られているからです。
化粧品は塗ってから崩れないように油が含まれているので、これが汚れを落としにくくする大きな原因。
食器洗い洗剤を使うことで、化粧品に含まれる油を分解し、キレイに汚れを落としてくれるのです。
また、ファンデーションがついただけなら、シェービングクリームで落とすことが出来るので、帰宅後、奥さんに見つかる前に洗面所でサっと取ってしまうことができますね。
まとめ
よくあるスーツに襲いかかる日常の汚れをその場ですぐに落とせる方法を9つご紹介いたしました。
ボールペンのインクがついてしまったら、消毒用エタノール
コーヒーをこぼしたら、糖分ゼロの炭酸水
焼肉のニオイがついてしまったら、ドライヤーの風をあてる
カレーが飛んでしまったら、あわてず日光を浴びる
革靴の汚れが目立つ時には、サッとバナナの皮で磨く
ガムを踏んでしまったら、油で溶かしてしまう
赤ワインがこぼれたら、塩で汚れを吸収させる
まさかの血流には、大根おろしで対処
女性の化粧品がついてしまったら、食器洗い洗剤で
と、この9つの対処法さえ覚えておけば、スーツに襲いかかる汚れを恐れることはもうありません。
スーツに汚れがついてしまって、その汚れがついたままでは、汚れが気になってその日は一日仕事に集中することもできませんよね。
また、人に会うようなお仕事をされているなら、その汚れがあなたの印象を左右してしまうことにもなりかねません。
また、汚れがついてから時間が経てば経つほど、洗濯しても落ちないガンコな汚れになってしまう汚れが多いですが、すぐに対応することで、あとに残すことなく汚れを取ってしまうことも可能です。
汚れと一言で言っても、その原因はさまざま。
その原因によって、効果的な落とし方は違ってきます。
すぐに落とせて、あとに残さないようにできるのは、その汚れに応じた対処法を知っているかどうか。
ぜひ、このページをブックマークして、汚れがついてしまった時、いつでもその対処法が見られるようにしておいてください。